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どうにもならない世の中に鳴り響くのは文章と言う警鐘。 [涙活]

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こんにちは、泣語家の泣石家 霊照です。
清水潔 氏著の「殺人犯はそこにいる」を読みました。

ふぅ。

桶川ストーカー殺人事件を読んでからの連続読破です。むむむ。いわば、本作のための助走を付ける為に前作、ついに本命を捕らえたという気持ちでいっぱいです。本作は、ジャーナリズムの金字塔、捜査報道のバイブルと言われ様々な賞を獲得しています。そして、その評判、評価に違わぬ読み応えのある作品でした。大切なのはノンフィクションというところです。この本に登場する人々には、現実世界に今も生き、血が通う人たちです。彼彼女らの悩み、慟哭、悲しみ、怒り、感謝、その全ての感情が半ば怨念のように行間から漏れだすような筆致ですらあります。

「殺人犯はそこにいる」という強いタイトルは、単に本書を手に取らすためのフックでも、生活者をドキッとさせる脅しではありません。そのまま、著者の悔しさ、国家権力への侮蔑、司法への落胆を強く表した結果のタイトルです。この意味はラストのページを読むと更に強く心に刻まれることになります。僕は学生時代に、新聞記者に憧れた時期がありました。いろんな場所に、神出鬼没に現れて自ら写真を撮り、記事を書き、スクープをものにする。そんな漫画のような記者の姿に憧れました。時は経ち、世間的には大人になって(いやいや、精神年齢はまだ色々言われますが…)仕事をするようになって、学生の頃描いていた憧れの職業に対して、現実はどうなのかという一応の自分の考えというか「こういうことかな」というものを持つようになりました。

テレビをつければ様々なニュースが日々流れ、本屋やコンビニたくさんの種類の新聞や雑誌が並び、インターネット上には玉石混淆の記事が日々アップ&デリートが繰り返されています。もちろん、その全てがジャーナリズムの精神に乗っ取っているものとは思いませんし、情報の濁流の泥ですらある情報もあると思います。いつからか、マスコミが「マスゴミ」と揶揄される言葉を聞くようになりました。でも、本書を読んで報道の何たるかを心に持ち断固たる覚悟でジャーナリズムを貫く記者がいることを認識し、そしてそれを素直に喜んでいます。言うなれば、騎士道のような精神の報道ですか。

僕らは今、知らなくてもいい情報の渦の中でもがきながら川床で輝く砥石を探す、そんな時代に生きていると思います。

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